未来へつなぐ農業プロジェクト特別インタビュー
未来へつなぐ農業プロジェクト特別インタビュー
「持続可能な農業の実現に向けて」
那須塩原市在住 印南様
持続可能な農業の実現を目指し進めている「未来へつなぐ農業プロジェクト」。プロジェクト発足当時からご協力いただいている那須塩原市の農家の方にお話を伺いました。
プロジェクトに参加したきっかけや、当時の印象について教えてください。
参加したきっかけは、那須塩原市からの紹介です。以前から飼料米を栽培したり、肥料散布にドローンを使ったりしていたので声をかけていただいたんだと思います。ただ、最初に「プラスチックの原料として米を作る」と聞いた時には、一体何を言っているんだ?という戸惑いが大きかったです(笑)。
それでも、プロジェクトの内容やSBプレイヤーズがどのような会社なのか、いろいろな話を聞くうちにやってみようかという気持ちになりました。
実際に1年間参加されていかがでしたか?
今回、普段は作らない複数の品種を栽培したのですが、それぞれに特徴があって、勉強になりました。
同じことの繰り返しではなく、新しいことにチャレンジするのは大切だと感じているのですが、米作りは1年間かかる、1年に1度しかできないので、気軽にやってみる、というのは難しいんですね。農家としては失敗できないので。なので、今回一緒にいろいろとチャレンジできたことで学べることも多かったです。
再生二期作に関しても、農法として以前から知ってはいたものの、那須塩原の気候ではできないと思っていました。今回二期作目の収穫がうまくいった品種もあれば、うまくいかなかった品種もあります。うまくいかなかったものに関しても、田植えの時期や気温との関係などいろいろなデータはとれたので、次につながると思っています。来年の収穫はもっとたくさんとれるかな、と。
データに関しては、田植えの時期から収穫まで、毎週のようにSBプレイヤーズの社員の方がデータを取りに足を運んでくださって、大変助かりました。
食べるためではなく、プラスチックの原料としての米作りといった点はいかがでしたか?
最初にお話しした通り、米をプラスチックの原料にするという話を聞いた時は、なんのことだろうと思いました。ただ、以前から飼料米を栽培していたので、「育てたお米が人の口に入らない」ということに対する抵抗感はあまりなかったです。
今の食生活を考えたときに、食用米の需要はなかなか厳しいかな…と。無駄になるよりはプラスチック原料として活用できるのはいいと思いますし、最初からプラスチックの原料米としての米を作る…というのも選択肢としてはよいのではないかと。やはり経営して、持続していく、ということを考えたときにいろいろな選択肢があることは大切だと思います。
新たな農業という意味で、AIの活用についてはどう思いますか?
ドローンの導入については、省力化、という意味合いが大きいです。今まで田んぼの中に入ってやらなければならなかった作業を入らずにできるので。
ドローンの他にも無人トラクターや直進アシスト機能の付いたトラクターもあるのですが、作業に無駄がなくなるということがやはり大きいです。また、これから農業を始めたいという人が、始めやすくなるのではないかと思います。トラクターなど機械の運転・操作などの技術を習得するにはやはり時間がかかってしまうので。その部分をAI技術がサポートしてくれるのではないかと思います。
ただ、ドローンも無人トラクターもコスト面の課題はあります。例えばドローンも金銭的な負担だけではなく、免許を取得するなどといった時間的なコストもかかるので、誰でも…というのは難しいかもしれません。
今後のプロジェクトに対する思いを教えてください。
AIの導入はハードルが高いですが、再生二期作や新しい品種の栽培は比較的どんな農家でも取り組むやすいと思っています。課題も明確で改善点も見えているので来期はもっとうまくいきそうだという手ごたえがあります。
繰り返しになりますが、農業も経営なので、経営のことを考えると選択肢は多くあったほうがいいので、いろいろな可能性を試していけたらと思っています。
印南様、ありがとうございました!来期も引き続きよろしくお願いいたします。